お義母さんのこと①

75歳の誕生日だった。

ケーキと花束を用意し、

大好きと伝えた。

 

私の母は、私が20歳前に亡くなったので、

年数だけ言えば、義母と一緒にいる方が長い。

今だからお義母さんのことを

良い所も悪い所も受け入れ、しょうがないよねと笑うことができるが、

紫微斗数を学ぶ前の私は、こんな風に言えなかった。

 

1人目の息子が生まれる少し前から同居生活が始まった。

私は、16歳くらいから家の事は全てやらないといけない環境だったので、

自分のやり方があった。しかし、同居生活ではそれが通らないことを知った。

いろんな事に口出ししてくる義母、親切とお節介を勘違いしている気がして、

顔では笑顔を作っていたが、心の中はウンザリしていた。

 

妊娠中、お腹の中でなかなか育たない息子に対し、

「障害を持っていたらどうするんだ?」

「あなたの父親は、タバコを吸っていたよね?副流煙が原因ではないか。」

など不安な心にさらに追い討ちをかけてきた。

 

体重1600gで生まれ、息子はそのまま1か月ほど入院し、

私は予定通り1週間で退院した。

帰宅する車の中で、

「お義父さんに謝ってちょうだい。」

と言われた。

意味がわからなかった。

低体重児を産んだ私はダメですか?

 

順調に育ち体重2500gを超え、退院できたが、初めての子育ては何もわからず、泣き止まない息子にあたふたしていた。

「貸しなさい。私の方が上手だから。」

泣いている息子に、

「かわいそうにねえ。もう大丈夫よ。」

と私の腕から息子を奪っていく。

私の知らない間に外に連れて行ってしまう。

私から母親だという自信も奪っていく。

 

今思うと、あの頃の私は産後のウツにかかっていたんだと思う。

自分から息子が見えなくなると、不安で涙がでた。

私と夫以外の人が息子を抱くことが許せなかった。

夫に話しても理解してもらえなかった。

大好きな人の母親に対して、嫌だと思う自分が1番許せなかった。

 

そして、1年くらいで逃げるように夫と私と息子3人で家を出た。

 

②に続きます。